6月末に
戦後の預金封鎖と財産税について書きましたが、

・2020年代に行われるかどうか?
・もし行われるとしたらどのように行われるか?
・防衛策はあるのか?

の考察に長くかかってしまいました。

今回は、私の見解と対策をまとめてみようと思います。
ブログでは表現できないことも多くあり、
全部を説明することができませんが
書けるところまで書こうと思います。

結論から述べますと。
混乱を避けるための預金封鎖は短期間あり、
財産税自体は導入されなくても
導入されたと同等のこと
が起こる可能性があると考えています

その根拠と対策について
下記の順序でお話ししようと思います。

1. 財産税の要・不要論
2. 立法上の問題点(現行法で財産税が導入されにくい理由)
3. グレートリセット
4. 財産没収の方法
5. 資産保全の考え方
6. 準備したもの

経済を勉強したことがない方でも分かるよう、
なるべくかみ砕いて書いてみました。
現状を理解するために
1→2→3→4→5→6
の順で読んでいただきたいのですが、
難しくて眠くなっちゃう!
という方は
1~2「財産税の要・不要」
3~4「財産没収の方法」
5~6「対策」
と3回に分けて投稿いたしますので
このブログ以降の記事をお読みください。

1.財産税の要・不要論

① 財産税が課されるという意見
昨今、財産税が騒がれている理由は次の通りです。
・プライマリーバランスの不均衡(税金などの歳入で歳出が賄われていない状態)。
・前回の財産税はGDBの2倍になっていた戦時債務の支払いに充てるために行われたが、現在の国債残高はGDPの約2倍となっており、戦後と同じ水準にあること。
・昨今の災害やコロナ対策のため特別支給が行なわていること。
・2024年に新円切り替えが予定されており、戦後と同じことが起こるのではないかと思っている人がいること。
・1997年に財産税が検討されたこと。
・急速に資産とマイナンバーとの紐づけが行なわれており、財産税課税の条件が揃いつつあること。
・オリンピックによる景気の上昇を見込んでいたのに、休止の可能性があること。

以上の理由から課税があるのでは?
と論じられています。

確かに一般政府の金融負債は年々増加し、1400兆円に届きそうな金額となっているのは下記の図の通りです。

(下記図表6-1:出典 『2020年度第二四半期の資金循環』日本銀行調査統計局 9月18日発表)https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjexp.pdf


② 財産税に反対する意見
財産税には反対意見もあります。
・政府の借入残高の増加に比例して、国民金融資産が増加していることから両者は相関関係にあり、資金が消失しているわけではない。
(上記図6-1と下記図3-1を比較すると、両者は同じボリュームで増加している)
・日本国債の引受けは殆どが日本国内で賄われており、(日銀が47.7%、銀行と保険会社が35.6%、公的年金と年金基金6.8%)外国に依存する他国とは異なる。
・デフォルトの危機がある国家(アルゼンチン等)は、ドル建てで国債を発行しており、自国通貨で発行する日本とは異なる。
・財産税を課した場合、日本人と日本経済が甚大な影響を受け、その後の消費税、法人税、所得税など全ての歳入が激減する恐れがある。
・土地を物納する人が増え、地方は固定資産税を得られなくなる。

(上記図表3-1:出典 『2020年度第二四半期の資金循環』日本銀行調査統計局 9月18日発表)https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjexp.pdf

以上のように、財政は破たんしておらず、
財産税は経済に対するマイナスの要素が大きく、
導入すべきでないという意見があります。

2.立法上の問題
財産税には立法上の問題もあります。
1946年の財産税は個人の自由や権利が制限されている旧憲法(大日本帝国憲法)下で制定されています。

1947年5月3日から施行されている日本国憲法では第29条にて財産権の保障が定められており、当時とは前提となる憲法が異なります。
また租税は法律により徴収されることが決まっており、その法律は国会で決議されなければ、制定することができません。

もし財産税法案が国会に出されれば
野党も国民も黙っておらず
立法までに資金が流出する可能性があり、
かなりの抵抗が予想されます。

上述のように、
1.財産税の要・不要、2.立法上の問題点
という既存の仕組みの考察からは、
財産税の導入は難しいと考えます。
法律、税制、金融に関わる人であれば、
財産税導入の無謀さは想像できるのではないかと思います。

そうでありながら、
なぜ財産没収がクローズアップされているのでしょう?
財産没収は回避されるのでしょうか?
回避されない場合、
資産保全はどのようにしたら良いのでしょうか?

について以降のブログに記します。