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預金封鎖と新円切替の実施
・マイナンバーと預金口座の紐つけ、
・コロナ禍でも急がれたスーパーシティ法案、
・2024年の新札発行などを受け、
預金封鎖や財産税について
質問をいくつかいただきました。
そこで1946〜1947年の預金封鎖や財産税は
どのように行われたのか?
私達一般市民に
関係ありそうなところを
時系列でまとめてみました。
「預金封鎖」「新円切替」「臨時財産調査令」
[施行日」
1946年2月16日(土)に同時に公布。翌17日実施
[預金の引き出し制限]
世帯主300円/月、他の世帯員は各100円/月、最大500円まで。
[旧紙幣の預け入れ]
3月7日までに預金・貯金・金銭信託すること
[臨時財産調査]
3月3日時点での財産(金融)を4月2日までに強制申告すること
[申告義務者]
名義にかかわらず実際の保有者
[封鎖預金から支払いが行われたもの]
・給与手当
・退職金支払
・借入金返済(利息含む)
・保険料支払
・年金支払
・医師、弁護士、経理士への支払い
・郵便積立貯金、定期積立掛金
・300円以上の授業料
・婚姻葬式費用
・家賃
・税金支払 etc.
財産税の課税
「財産税」
[施行日]
1946年11月11日制定
[納税義務者]
国内に住所又は一年以上居所を有する個人、国内に財産を有する個人
[課税対象者]
資産以外の全て
(非課税資産とは通常生活に必要な家具・機器・衣服その他これらに準ずる財産)
[土地家屋の評価方法]
賃貸価格に財務局長が定める一定の倍率を乗じた価格
[株式及び出資の評価方法]
1946年3月3日時点の当該法人の財務状況とその後の財務状況の変化を踏まえて財務局長が決定した価格
[申告期限]
1947年1月31日
[納付期限]
1947年2月28日
[税率]
以下の通りの累進税率
課税価格 | 税率 |
10万円超-11万円以下 | 25% |
11万円超-12万円以下 | 30% |
12万円超-13万円以下 | 35% |
13万円超-15万円以下 | 40% |
15万円超-17万円以下 | 45% |
17万円超-20万円以下 | 50% |
20万円超-30万円以下 | 55% |
30万円超-50万円以下 | 60% |
50万円超-100万円以下 | 65% |
100万円超-150万円以下 | 70% |
150万円超-300万円以下 | 75% |
300万円超-500万円以下 | 80% |
500万円超-1,500万円以下 | 85% |
1,500万円超 | 90% |
今の貨幣価値との比較
今とは昔では必要な物資や
供給されるものが違うので
簡単に物価で比較することはできませんが、
1946年の公務員の初任給が
300円くらいであったことを考えると、
当時の300円は現在では
20万円くらいなのではないかと考えられます。
しかしながら1947年の同じく公務員の初任給が
2300円程度であったことを考えると、
この1年のインフレで
貨幣の価値は1/8〜1/10になっており、
財産税納付後の封鎖預金は
かなり価値が減じてしまったようです。
その後も物不足からインフレが続き、
密告制度や罰則
(3年以下の懲役又は1万円以下の罰金)もあり、
かなり厳しい制度だったと想像します。
2020年代に預金封鎖が行われるかどうか?
については
いくつかのシナリオが考えられますが、
・もし行われるとしたらどのように行われるか?
・防衛策はあるのか?
を次回以降にまとめてみようと思います。
出典は以下の通りです。もう少し詳しくという方はご参照ください。
「昭和財政史ー終戦から講和まで」https://www.mof.go.jp/pri/publication/policy_history/series/syusenkouwa.htm
「改正税法のすべて」https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenkyu/ronsou/25/196/ronsou_1.pdf
コメント
国家財政破綻→預金封鎖→デノミ→過去の国借金チャラ→国債紙くず、紙幣紙くず、ですかね
ここ数年デフォルトした国家はありますが、第二次大戦後の日本ほど徹底的に国民の資産を没収した国はありません。現在は金融がグローバルになり、円はドルやユーロの避難先としても活用されているので、課税は円を毀損しない形で行われると思います。国際金融は専門ではないので分かりませんが、課税徴収を簡単&完全に行うために、住基カードと資産の紐づけ、タンス預金のあぶり出しは2024年に完成させたいのだろうと思います。